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2020.06

The Bellwood

ザ ベルウッド

大正時代の特殊喫茶である『カフェー』をコンセプトに、現代カクテルバーの新たな価値

 

 

BARの空間デザインで大切な要素はテーマやストーリーを感じれること、それとバーテンダーとの親和性です。

 

BARは趣味嗜好の最たるものなので、実際には「何でもあり」と考えても間違いではありません。
しかしながら、BARデザインをさせていただくときにいつも考えるのが、インテリアデザイン業界で評価されているお店と、世界のBAR業界で評価されているお店が見事にシンクロしていないこと。 バーテンダーはデザイン業界で評価されているBAR空間を知らないことが多いし、 デザイナーは本当に評価されている世界のBARをほとんど知りません。それはインフルエンサーである国内外のバーホッパーたちのニーズを理解出来ていないことに近しく、店の規模が大きくなればなるほど繁盛するお店作りを目指す上で大きなマイナスになります。

 

『THE BELLWOOD』では大正時代から現代へと続くカクテル文化の成熟を体験できます。それと同じく空間デザインも大正時代から徐々に改装を重ねてきて今があるような、それぞれの時代のレイヤーを意識しながら改装感を出しました。

 

オーナーバーテンダーである Atsushi Suzuki 氏は、明確にビジョンを持つブランディングマネージャーでもあり生粋のクリエイターです。こうしてバーテンダーがクリエイターの場合、THE BELLWOODヘいらっしゃるお客様は主に Atsushi Suzuki 氏のセンスや世界観を楽しみにきています。ですからインテリアデザイナーはなるべく黒子に徹し、バーテンダーの生き様や内面を最大化するためのデザインを行う必要があります。間違えてもブランディングにそぐわないような、ただ新しくてカッコがいいだけのものを作ってはいけません。それはお客様が「あー、このお店はデザインはインテリアデザイナーに丸投げなんだな」と解釈してしまい、クリエイティブなBARの在り方としてはもっともイケてない状態だからです。これらがBARデザインとバーテンダーとの親和性が大切だと考える理由です。

 

これからの未来は外出することが既に特別で贅沢になる時代。外出する目的に選ばれることが、お店の成功でありインテリアデザインの成功である最低条件です。BAR業界が楽しくなり、みんなが出掛けたくなるようなお店作りを目指しました。

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