丸の内らしさ、を再定義するSGグループとの挑戦
クライアントの哲学の一つでもある「和魂洋才」を、丸の内という場所でいかに空間言語へと翻訳するか、というのが大きなポイントでした。
私たちが目指したのは、「開かれた熱気」と「上質な落ち着き」という、ともすれば相反する二つの要素を一つの空間で両立させることです。
まず「洋才」の側面、すなわちニューヨークのクラシックなタバーンが持つダイナミズムを、空間の核となる印象的なバーカウンターとして設計しました。ここはSGチームのクラフトマンシップが発揮される「ステージ」であり、空間の「動」の中心です。
一方で、丸の内という土地が求める「和魂」—すなわち品格と落ち着き、または歴史といった部分は、私たちが選定した「本物の素材」の質感で表現しました。重厚な無垢材、クラシックなタイル、そして鈍い光を放つ金属やミラー。これらのマテリアルが空間に「時間の重み」と「信頼感」を与え、活気あるバーカウンターの熱量を、丸の内の文脈にふさわしい上質さで包み込みます。