私にとって葉巻とウイスキーは「遊び」です。仕事やプライベートでの緊張感をリセットできる、とても大切な遊びです。
葉巻の原料であるタバコ葉はナス科の植物、スコッチウイスキーのシングルモルトの原料は大麦。平たく言えば、年月をかけた野菜スティックと穀物ジュースのペアリングをリラックスして楽しんでいます。
しかしこの両者ともヴィンテージなどを含めると相当な種類が存在し、その全ての味わいが異なるために「葉巻×ウイスキー」は一生かけても試し切ることが出来ないほど膨大な組み合わせです。
さらにキューバの葉巻は味の個体差が大きく、保存状態にも左右されます。その上、葉巻の喫煙時間は1本あたり約1時間程度ですが、その時間内でも刻一刻と味が変化します。同じくウイスキーもボトルの封を切ってからすぐと数ヶ月後数年後、またグラスに注いでからすぐと数分後でも味が変化します。そこに各個人の味覚の違い。しかもその個人の味覚も季節や体調や年齢で変化します。
葉巻やウイスキーは気軽に楽しむこともできますし、その無限のペアリングを自分なりに最も良い状態に突き詰めていくことも可能です。それは自然や農作物との対話であったり、終わりなき旅路を楽しむような感覚でもあります。
こういう遊びがユニークな発想を生み出す原動力になりますね。
